情報共有しない上司がいて、困っていませんか?
情報共有は企業にとって非常に重要なことであり、個人単位で考えても得られるメリットが大きいです。情報共有ができていれば、組織の業務全体を効率的に進められるようになるでしょう。
また社員全員が同じ情報を共有することで社員間のコミュニケーションが活性化し、社員のチームワークも育みやすくなります。
しかし、実際には率先して情報共有を行うべき上司が情報共有をしないという問題が発生しており、その状況に頭を抱えている部下は少なくありません。
情報共有は社員全員で行うからこそ効果を最大限発揮できるものであり、社内の一部の人が行わないだけでも大きく効果が減ってしまうのです。
この記事では、情報共有に消極的な上司が情報共有しない理由や、その対応策についてまとめました。
そもそもの情報共有の意味や目的についてはこちらの記事もあわせてご参考ください。
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情報共有しない上司の頭の中
会社という組織には多くの人間が集まり、それぞれ別の思考を持っているものです。
その中でも情報共有をせずに業務を非効率化している上司の思考は、より理解が困難だと感じてしまうのも仕方がありません。
しかし相手の思考を想定できなくては、問題への対応策も考えにくくなると言えます。ここでは情報共有しない上司がどのようなことを考えて情報共有を避けているのかを調べました。5つのパターンに分けて解説していきます。
1. 情報共有の必要性がないと考えている
情報共有をしない人は、情報共有の必要性を理解していないために「情報共有は不必要だ」と考え、他の意見を受け入れない状態にあるようです。
多くの人間は必要性を感じていないことに時間を使いたくないと考えるため、その人にとって情報共有の優先順位は非常に低いものになるか、情報共有自体をしない場合もあるでしょう。
簡単に言ってしまうと、情報共有のメリットやデメリットを理解できていない知識不足な状態なのです。
一般的には特に勤続年数の長い方は凝り固まった考えをしやすく、自分の価値観を変更することや新しいシステムに抵抗を感じる方が多い傾向にあります。
今までのやり方を変えたいという考えがなく、時代の流れや作業の簡略化などを受け入れたくない可能性があります。
情報共有の重要性やその詳細はこちらの記事もあわせてご参考ください。
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2. 部下を信頼していない
上司が情報共有をしない理由の一つには、部下を信頼していない可能性も考えられます。
単純に上司の中での部下の評価が低く「経験不足の部下には任せられない」と感じていることもありますが、「自分が苦労して得たノウハウを渡したくない」と考える方がいるもの事実です。
仕事を任せなければ部下は育ちませんが、残念ながらそのような視点で考えることができないまま上司になってしまう人もいるのです。
部下を育てる気がない考え方の人は一人で仕事を抱えがちなので、客観的に上司の業務内容を見てみると、その傾向が見えてくるでしょう。
また、自分だけが有益な情報を知っていると優越感を感じるような人もいます。この場合は価値観の修正が必要となるため、意識改革が困難であると言えます。
3. 情報共有が面倒だと感じている
情報共有をしないで仕事をすることを何十年も進めてきた年齢層にとっては、情報共有を手間だと感じてしまう人もいます。
情報共有は組織にとって優れた手段であり、広い視野を持てば個人にとっても得られるメリットが多いのですが、数秒の手間を面倒に感じて情報共有を避けてしまう場合もあるのです。
そのようなタイプの上司は、社内の情報共有ツールがどんなに簡単に使用できるものだとしても面倒だと主張します。
もしくは、そもそも情報共有ツールの使い方がよく理解できていない場合もあるでしょう。
上司が情報共有の手間を避けたいと感じている場合には、相手に情報共有のメリットを伝えても、聞く耳を持たない可能性も考えられます。
4. 情報共有しているつもりでいる
情報共有という言葉は非常に広い意味で使用できるため、たとえば会議の内容を部下に口頭で伝えるだけで情報共有したと考えてしまう人もいます。
会議議事録をデータ化して組織内で自由に閲覧できる状況が情報共有だと考えるのが一般的ですが、「伝われば一緒」と考えてしまっている方との感覚の違いはなかなか修正できません。
厄介なことに「伝えたのだから情報共有だろう」と感じている人に限って「自分は完璧に情報共有ができている」と思っている場合が少なくないのです。
また部下の時間を使うことに抵抗のない立場にある人ほど「共有フォルダにデータを入れれば情報共有」と考えていることが多く、部下が時間をかけて情報を探してもどこに何があるのか分からない状態になってしまっている場合もあります。
情報共有に関しての講習などがあれば一番良いのですが、基本的に新入社員のみを対象としていたり、情報共有ツールの導入時のみに実施されるケースが多いです。
5. パワハラ・嫌がらせ
残念なことですが、嫌がらせとして意識的に情報共有を拒否する上司もいます。
実際に、仕事上必要な情報を伝えずに業務に支障を出させ、相手を責めるようなパワハラの事例は少なくありません。
「聞いていない」と主張しても、上司に「伝えたはずだ」と言われてしまうと、部下は立場上反論しにくくなってしまいます。情報共有を利用したパワハラは非常に解決が難しいと言えるでしょう。
情報共有しない上司と部下のリスク
情報共有しない上司と仕事を続けていると、毎日のように非効率なことが起こります。
相手が自分の後輩であれば指摘し教育することで容易に改善させられますが、上司の場合はそうはいきません。
非効率ではあるけれど、このままの状態を続けるしかないと考えて状況を変えずに耐え続けてしまう人も多いでしょう。
しかし実際には、情報共有ができていない上司との関係が続いている状態は、大きなリスクが発生しやすい環境であると言えます。我慢だけで済ませてしまうのは、長期的に見てとても危険なことなのです。
たとえば大きなトラブルが発生してしまった時に、上司がその状況を把握していなければ迅速な対応が取れなくなります。さらに上司がトラブルの状況を把握していなかったことで、トラブルの原因を担当者が負わされる可能性もあります。
上司と情報共有できている状態とは、上司の了承を得た上で業務が進んでいるということなので、部下だけが責任を取らされるような事態は起こりません。
また業務の流れの中でミスがあれば、上司が早期に気づき、トラブルに発展する前に問題を解決できることもあるでしょう。
情報共有できていないチームは業務の効率が悪いだけでなく、大きなトラブルが発生しやすい上、責任の所在が曖昧になりやすい状態にあるのです。
本来上司は部下の業務を管理することも仕事の一つであり、だからこそ役職がついているものなので、情報共有をしない上司は必要な業務を放棄しているとも言えるでしょう。
情報共有をしないデメリットについては、こちらの記事でも紹介しています。
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上司から情報共有してもらう方法
上司と情報共有ができていない状態で起こり得るトラブルやリスクをお伝えしましたが、上司に情報共有をしてもらうためには具体的にどのようにすれば良いのでしょうか?
上司に情報共有を促すための最適な方法は、「プライドが高い上司だから直接意見は言いにくい」「意見は聞き入れてくれるが相手に失礼にないようにしたい」など上司との関係別に変わりますので、いくつかパターン別に見ていきましょう。
まずは自分から情報共有をする
上司に対して直接意見を言いにくい関係の場合に有効な方法は、情報共有を自分から積極的に実践していくことです。
具体的には情報共有に有益性を見いだせていない上司に対して、情報共有をすることで得られるメリットを知ってもうために、自分から情報共有を積極的に実践します。
はじめは抵抗感があった上司も、仕方なく部下から情報共有を受けているうちに、その効率の良さに気付く可能性があるでしょう。
情報共有に対して消極的な相手に情報共有を促すのは難しいと感じるかもしれませんが、自分が情報共有をすることに相手を巻き込んでいくようなスタイルであれば、思っているよりもスムーズに話が進められます。
もちろん多くのハードルはありますが、遠巻きに上司を情報共有の輪に巻き込んでいくようなイメージで進めるためにも、自分以外の社員にも同じような行動を取ってもらうと情報共有の有益さが上司に伝わりやすいでしょう。
凝り固まった考えを改めてもらうために強制的に環境を変えていくような形ですが、直接の意見として考えを上司に伝えるよりも、情報共有に関する上司の思考を自然な流れで変えることができます。
向上心と共に情報共有してほしい旨を伝える
上司に意見や提案を積極的に言えるような関係が築けているのなら、情報共有のメリットと自分が情報共有を活用して行いたいことなどを直接伝え、上司の協力を仰ぎましょう。
一般的に上司は、向上心を持った部下の有益な提案を意味もなく断れません。情報共有ができるようになれば多くの業務を効率化できるので、提案内容を考えるのも難しくはないでしょう。
それでも何をどう提案すれば相手に納得してもらえるか分からないという場合には、情報提供に関する上司への不満を解決できた場合の業務の流れを想定してみてください。
「上司さえ情報共有してくれればスムーズに業務が進むのに」と思っていたことを「チームで情報共有ができれば業務の効率がこれだけ上がります」と言い換えるだけで、情報提供を活用した改善提案になります。
自分が情報共有をしないせいで業務が滞っていることに気付いていない上司は、この提案を受けることでその非効率さに気がつけるかもしれません。
ただ「非効率です情報共有してください」と伝えるのは相手の非をストレートに刺激してしまっていますが、この方法ならチーム全体の情報共有への提案として前向きに捉えてもらえるでしょう。
情報共有に関するルールを作る
自分がルールを作れるような立場にあるのなら、上司にではなく「チーム全体に」対しての情報共有に関するルールを設けるのも良いでしょう。
たとえ社内で情報共有できていなかったのが上司だけだとしても、個人的なルールではなく「チーム全体の情報共有のためのルール」と位置付ければ上司の気分も損ねません。
たとえば「退勤時には業務の進捗を報告する」「閲覧依頼のある情報は必ず確認して閲覧済みにする」などの誰もが少しの心掛けで実践できるものが良いでしょう。
またルールを定着させるために、設けるルールを簡単かつ少ない数で始めたり、情報共有ツールの導入を検討したりすることも必要です。
先に述べた「閲覧依頼のある情報を閲覧したかどうか」は、閲覧履歴が見られる情報共有ツールを入れることで確認の手間が省けます。
情報共有ツール「flouu(フロー)」は、他にも情報共有に必要な機能がそろい、簡単に導入できるので、ルールを設けることによる負担を減らし、効率的に情報共有を進められるようになるでしょう。
ルールが設けられればチームのトップである上司がルールを守らないわけにはいけませんので、上司自ら積極的に情報共有を始めてくれます。そしてルールが定着していくことで、上司の情報共有への意識が自然と高められて行きます。
自分のせいで作られたルールだと気づかれないようにすれば、上司のプライドを傷つけずに情報共有を促せる方法だと言えるでしょう。
おすすめの情報共有ツールや効率化の方法はこちらの記事もあわせてご参考ください。
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パワハラ上司の場合
自分の上司がパワハラ上司であるかどうかは、暴言などのある極端なパワハラでない限り判断しにくいことが多いです。
相手の心理は読めないので、悪意があって情報共有を避けているのか、別の意図があるのかが分からない場合もあるでしょう。
しかし、今紹介した方法を実践してみても情報共有がされない、または上記の方法を上司が拒否・否定するようであれば、その人はパワハラ上司である可能性が高いと考えられます。
その場合は、部下の立場で自ら問題を解決することは困難です。他の社員に相談し意見を聞いてみるのも良いですし、あまりに耐えがたい状態ならば社内の専門の部署に報告するなどの方法も考えなくてはいけません。
解決できない問題を一人で抱え込んで悩むことのないようにしましょう。
情報共有に成功した企業の事例
情報共有をしない上司と部下にあるリスクについて説明しましたが、実際に情報共有に成功した組織では、どのような効果を得ているのでしょうか?
ここでは情報共有のために情報共有ツールを導入した企業の成功事例を紹介しましょう。
営業のコミュニケーション時間が半分に:株式会社セカツク
セカツクでは情報共有不足による弊害を感じていたわけではありませんが、情報共有ツールを使い始めることで、今まで見えていなかった課題が浮き彫りになりました。
チーム内でのアウトプットがドキュメントの同時編集機能によってスムーズに進むようになり、営業のコミュニケーション時間を半分にできたと感じているそうです。
業務全体が効率化すれば、新規事業や業務改善のために時間を使えるようになるでしょう。
flouu導入事例:「リアルタイムコラボレーションにより営業のコミュニケーション時間が半分に。」
情報共有ツールによって欲しい情報が簡単に手に入るようになった:株式会社ネクスウェイ
法人向けのコミュニケーション支援サービスを提供しているネクスウェイでは、兼ねてからナレッジマネジメントに関する課題を抱えていました。
情報共有が上手くいかない理由は明らかだったものの、ルールづけを厳しくすると情報共有自体のハードルが上がって形骸化してしまうというジレンマがあったのです。
しかし、情報共有ツールの導入によって、社員が簡単に情報共有しやすい環境が整い、欲しいと思った情報をすぐに手に入れられるようになりました。
適切なツールの導入は情報共有成功の近道だと言えるでしょう。
flouu導入事例:「小さな範囲から気張らないナレッジマネジメント。それができるのがflouuでした。」
メールの作成・管理時間を大幅削減:株式会社g-wic
営業支援・提案を行なっているg-wicでは以前までクラウドストレージを文書ファイルの格納先にしていましたが、必要な情報がすぐに手に入らないという課題を抱えていました。
情報共有ツールを使用したことでクライアントに送るトークスプリクトやメール作成・管理の効率が大幅に向上できたそうです。
業務効率が上がっただけでなく、バージョン管理も正しく行えるようになり、自社内の情報を今まで以上に有効活用可能になりました。
flouu導入事例:「バージョン管理機能でトークスクリプトやメールの作成・管理時間が大幅に削減しました。」
まとめ
情報提供をしない上司の思考や、その対処法について紹介しました。
情報共有は本来組織単位で進めるものであり、目上の位に立つ上司こそその重要性を理解した上で部下に情報共有を促さなくてはいけません。
そのため上司が情報共有できていないという状態は、会社の情報共有制度に問題がある可能性も考えられます。
上司と部下という立場上、この問題の解決は非常に難しいものですが、組織全体の効率化はもちろん自分の業務効率化のためにも、改善へ向かえるようできる範囲で動いてみましょう。