文書・文章作成

正しい文書管理手法とは?文書管理を成功させるポイントと導入ステップを徹底解説!


文書管理は企業の業務の生産性を高めて業務を効率化させるために欠かせないことです。しかし、その重要性が分かっていても、思うように文書管理が進められないという企業が多いようです。

文書は企業規模が大きくなるほど増えるものであり、より管理が難しくなるのです。情報管理が適切に行われない企業では、情報漏洩や紛失によって企業の信頼に傷がついてしまう恐れもあるでしょう。

この記事では、文書管理についての基本的な知識とともに、文書管理を成功させるためのポイントと具体的な文書管理手法を紹介しましょう。文書管理の方法を見直したいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。

 

文書管理とは

文書管理とは文字通り企業内にある文書を管理することを指しており、自社で作成した文書はもちろん取引先や顧客から受け取った書類もその中に含まれます。

ここで言う「管理」とは文書をただ集めるだけでなく、文書の作成・活用・保管・保存・廃棄という文書のライフサイクルを適切に進めることです。また、必要な文書がすぐに見つけられる状態にドキュメントを整理する・検索可能な状態にしておく必要もあるでしょう。

正しい文書管理によって企業が得られる効果には、次のようなものがあります。

 

業務効率化・生産性向上につながる

文書管理がされていない状態では、社員は必要な文書がどこにあるのかが分かりません。文書を探すために多くの時間が浪費され、見つけられない文書は再度作成し直すなど非効率な状態に陥ってしまうのです。

文書管理が適切に行われれば、文書検索にかかっていた時間を他の業務に割り当てられるようになるでしょう。多くの社員の非効率な動作がなくなることで、企業全体の業務効率化・生産性の向上が期待できます。

 

情報漏洩や紛失を防ぐ

企業では多くの機密情報や個人情報などを扱っていますが、文書管理ができていない状態では文書のセキュリティ管理も行えません。そのため、情報漏洩や文書の紛失が起こりやすくなってしまうのです。

このようなトラブルが発生すると、企業は顧客や取引先からの信頼を失うことになり、損害賠償責任を問われる可能性もあるでしょう。

 

顧客満足度の向上が期待できる

文書管理ができていない企業は顧客からの信頼を失う恐れがあるとお伝えしましたが、文書管理が適切に行われている企業は顧客満足度の向上が期待できます。

なぜなら、顧客からの問い合わせに対してすぐに顧客情報を確認しながら適切な対応ができ、必要であればマニュアルや文書の提示もスムーズに進められるためです。

またトラブル事例が正しく管理されるため、同じようなトラブルが繰り返し起こってしまうような事態も防げるでしょう。

 

コストダウンができる

文書のライフサイクルが管理できていない状態では、文書が適切なタイミングで廃棄されずに増え続けてしまう恐れがあります。紙の文書の場合は不要な文書に保管の労力・収納スペースを使うことになるでしょう。

非効率な文書管理を行うためにかかっている無駄な人件費もコストダウンできます。

 

文書管理が抱える課題

文書管理が企業に与える影響は大きいということをお伝えしましたが、多くの企業が文書管理をうまく進められずに悩んでいます。文書管理にはいくつもの課題があり、その課題の解決は簡単ではないのです。

ここからは文書管理が抱える課題を説明しましょう。

 

紙文書の場合

紙の文書管理はほとんどの企業で長期間続けられていたことから、独自のルールが設けられている場合が多いです。その都度ルールの見直しや業務改善を続けている企業では、効率良く紙の文書管理が行われていますが、長年の運用からルールが増え過ぎた結果、非効率な状態になっている事例も珍しくありません。

 

文書の管理コストがかかる

紙の文書は出力時の印刷費・ファイリングに使用するバインダーや収納スペースの維持費など多くの管理コストが必要になります。文書を廃棄するための人件費もかかるでしょう。

ペーパーレス化を進めて紙の文書を減らしている企業も増えてきましたが、まだまだ紙での文書管理を基本としている企業も多いです。

 

必要な文書を探すのに時間がかかる

紙の文書は保管場所の管理が難しく、必要な文書を探すのに多くの時間が割かれる場合があります。目次を作る・電子データで文書の保管場所を一覧にしておくなどの方法で検索しやすい環境を整えることはできますが、電子データの検索性には敵わないでしょう。

扱う文書の量が多いほど、文書検索にかかる時間も長くなってしまいます。

 

細かなルール設定を守るのが難しい

紙の文書管理では、文書を適切に保管・保存するために細かなルール設定をしなくてはいけません。具体的には「〇〇関係の書類には○色のバインダーを使い〇〇順にファイリングした上で目次を作成して〇〇資料室の〇〇の棚に並べる」など、ファイリング方法から保管場所までの設定が必要です。

管理するべき文書の種類が多ければ、それぞれの文書管理ルールを用意しなくてはならず、一人の社員がルールを守らなかっただけでも、必要な文書が見つけられない状態になってしまうでしょう。

 

文書管理が属人化しやすい

紙の文書管理は設定されたルール・どこに何の文書があるのか把握する社員に文書管理が属人化しやすくなります。その結果「〇〇さんがいないと必要な書類がどこにあるのか分からない」「担当者がいないとどこに書類を保管すれば良いのか分からない」状態に陥ってしまうでしょう。

 

電子データの場合

ペーパーレス化を進めるために、多くの企業では文書の電子データ化を進めています。しかし電子データによる文書管理はルールが曖昧なままスタートされる場合もあり、電子データの利用自体に慣れていない社員もいることから、問題が起こりやすい状態になっていると言えるでしょう。

紙の文書とは逆に、「ルールの設定不足」が問題を招く要因にあるようです。

 

文書が増え過ぎてしまう

電子データは簡単に保管でき、印刷する・ファイリングするという手間がかかりません。また、どこに・どのように文書を保管するべきかというルールが定められていない場合、社員は自分の判断で好きなように文書を保管するでしょう。

その結果、似たようなドキュメントが複数存在したり、階層がバラバラのフォルダが乱立し、必要な文書がどこにあるのかが分からなくなったりしてしまうのです。特に似た文書が混在すると、検索機能を使っても求める文書が見つけにくくなります。

 

バージョン管理が難しい

古い文書はそのままの状態で保管し最新の文書を別名保存する場合、データ保存では紙の文書のように物理的に古い文書の上に新しい文書を重ねることができないため、どのドキュメントが最新のものであるかが分かりにくくなります。

ファイル名に「最新版」を使用するなどのルールを設けても、複数の社員が作業をするうちに「最新版」が何個も並んでしまう場合もあるでしょう。

 

簡単に情報が消えてしまう

紙の文書もシュレッダーにかける・ゴミ箱に入れることで廃棄可能ですが、電子データのドキュメントは紙の文書よりも誤って消去してしまう・上書き保存してしまうなどのトラブルが起こりやすいです。

また、本人がそのミスに気がつかない場合もあるでしょう。

 

文書管理を成功させるために知っておくべきポイント

文書管理を成功させるためには、文書管理手段を見直す前に知っておくべきポイントがあります。ここでは、そのポイントを分かりやすく説明しましょう。

 

文書のライフサイクルを意識する

文書のライフサイクルとは、文書の作成→活用→保管→保存→廃棄の流れを指しており、文書によってそれぞれの段階の期間が変わります。この文書のライフサイクルを意識した文書管理が行えるようにすれば、廃棄されるべき文書が保存され続けたり保存期間の過ぎていない文書が誤って廃棄されてしまったりするトラブルが防げるでしょう。

 

保管と保存の違い

文書の保管・保存は混同されやすい言葉ですが、明確な違いがあります。保管は頻繁に利用する文書を指しており、保存は利用されることが稀になった文書を意味しているのです。

保管文書と保存文書が混ざってしまうと、必要な文書を見つけにくくなります。

 

法定保存期間を把握しておく

文書には法定保存期間が定められているものもあります。代表的な文書の法定保存期間は下記の通りです。

2年:健康保険・厚生年金に関する書類
3年:労働者名簿・雇入や退職に関する書類
5年:健康診断個人票・従業員の身元保証書
7年:取引に関する帳簿・書類や給与所得者の源泉徴収に関する書類
10年:総勘定元帳などの会計に関する書類
永久保存:定款や株主名簿

また、法定保存期間よりも長い保存期間を企業独自で設定している場合もあるため、注意が必要です。

 

最適なツールを取り入れる

文書管理に特化した機能が用意されている文書管理ツールを導入すれば、どんなに文書量の多い企業でも円滑に文書管理が進められるようになります。

文書管理ツールには優れた検索機能や文書ごとの権限設定機能の他、文書の廃棄ルールの設定も可能であるため、大半の文書管理の課題を解決できるのです。

現在は多くの企業で文書管理ツールが導入されており、ツール自体もいくつもの種類のサービスが存在していることから、自社に最適なツールが見つけられるでしょう。

 

文書管理手法をステップごとに紹介!

ここでは正しい文書管理手法をステップごとに紹介します。文書管理の見直しを考えているのなら、ぜひ参考にしてください。

 

文書の保管方法を決める

最初にその文書を紙で管理するのか・電子データで管理するのかを決めていきます。検索性や保存コストを考えると、電子データをメインとした文書管理を進めることをおすすめします。

電子帳簿保存法の改正によって紙の文書保管が認められなくなった文書も存在するため、紙の文書管理を続けたいと考えている場合は、確認が必要でしょう。

必要であれば、文書管理をスムーズに進めるための文書管理ツールを導入するという手段もあります。

 

文書の分類方法を決める

文書の分類方法には、トップダウン方式で文書の分類方式を指定する割り付け方式と、現場からボトムアップ方式で文書を分類する積み上げ方式があります。

割り付け方式は企業全体で文書分類を統一可能ですが、現場の業務に適さない恐れがあり、積み上げ方式では部署間で文書の分類方法が違ってしまい管理が困難になるというメリット・デメリットが存在します。

自社が適している文書分類の方法を検討しましょう。

 

文書の保存期間を定める・保存期間ごとに整理する

法定保存期間を参考にして文書の保存期間を設定していきます。法定保存期間の定められていない文書は自社基準を作りましょう。

保存期間ごとに文書を整理しておけば、文書廃棄時のルール設定も行いやすくなります。文書管理ツールを使う場合は、ドキュメントの廃棄ルールを設定すると良いです。

 

文書管理のルールを決める

文書管理を円滑に進めるために、必要なルールを設定します。文書ごとの保管場所・保管方法・文書名の付け方などがその具体例です。

紙の文書と電子データで必要なルールが変わることから、両方のパターンを設定してください。

 

文書管理を成功させるための注意点

最後に文書管理を成功させるための注意点を紹介します。

 

文書管理の目的を社員に周知する

目的が明らかでない取り組みは社員に浸透しにくくなります。ただ決まったルールを伝えるだけでなく、文書管理が正しく行われることで得られるメリットや文書管理の目的を社員に周知しましょう。必要であれば、研修や講習の機会を設けると良いです。

 

細かすぎるルールを設定しない

文書管理は日々の業務の中で複数回繰り返されるものなので、あまりに細かなルールを用意するべきではありません。ルールが細か過ぎる・多過ぎると、文書管理のためにルールを確認する手間が増え、業務全体の効率を下げてしまうでしょう。

簡単に覚えられるルールを設定し、文書管理に必要な労力を最小限に抑えてください。

 

電子帳簿保存法に注意する

電子帳簿保存法とは国税書類の紙文書管理にかかる労力を減らすために、一定の要件を満たした企業は国税関係の書類を電子データで保管できるようにするという法律です。

定期的に改正が行われており要件緩和が進められていますが、紙での保管が認められなくなった文書や電子データの改ざんなどの行為に対するペナルティも設定されるようになりました。

そのため、これまでは許可されていた文書保管の方法が電子帳簿保存法の改正と同時に認められなくなる可能性も考えられます。電子帳簿保存法についての最新の情報を把握するようにし、場合によっては法改正とともに自社の文書管理方法を見直す必要があるでしょう。

 

まとめ

文書管理の重要性と、文書管理を成功させるための具体的なステップ・注意点やポイントを紹介しました。

文書管理は企業に欠かせないものですが、その方法が適切なものでなければ業務の効率を下げてしまう・情報漏洩や紛失につながる恐れがあります。自社に最適な文書管理手法を見つけ、文書管理の見直しを行いましょう。

また、文書管理専用のツールである文書管理ツールを導入すれば、文書管理の抱える課題の多くが解決可能です。文書管理方法に悩んでいるのなら、文書管理ツールの導入を検討することをおすすめします。

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