社内で経験を重ねるうちに、会議のアジェンダ作成を任されることがあります。
アジェンダの意味自体は何となく知っていても理解が不足していることで、アジェンダの作り方に迷ってしまう方も多いでしょう。
また会議の参加する場合、アジェンダを意識せずに参加していなければ、その役割を知ることはできません。
今回はアジェンダの目的やメリットと、すぐにアジェンダが作成できるテンプレートをご紹介します。これからアジェンダを作ろうと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
アジェンダとは?
アジェンダは英語でagendaと書き、その言葉自体には予定表・行動計画という意味があります。
ビジネスシーンで使われるときには主に「会議の議題」「会議日程」を表現するために使用され、円滑に会議を進めるために欠かせないものです。
具体的には、会議の議題・日程の他、会議の参加者・開催場所などの基本的な事項も含まれます。
また、似た言葉に「レジュメ」「議題」がありますが、それぞれの違いは下記のようになります。
- アジェンダ:会議の議題や進行をまとめたもの(または議題そのもの)
- レジュメ:会議で発表する内容をまとめたもの
- 議題:会議で議論する内容
人によってはアジェンダ=議題とした利用をする方もいるため、使われ方によってニュアンスが変わると理解しておくと良いでしょう。
「来週の会議のアジェンダを作っておいて」と上司に言われれば、来週行われる会議の議題や進行をまとめる必要があります。
「今日の会議のアジェンダは〇〇です」と会議の冒頭で言われれば、それは議題のことを指していると考えれば良いでしょう。
アジェンダは会議の道標と言えるものですので、用意することで「ただ行うことが目的」のような会議をなくし、会議を生産性の高いものにできます。
会議でアジェンダを作成する目的とメリット
アジェンダは会議に欠かせないものであるとお伝えしましたが、その目的とメリットについて分かりやすく説明します。
アジェンダを作ることで得られるメリットを理解すれば、その重要性が理解できるでしょう。
会議の目的・議題を明確にする
目的や議題が曖昧な会議はうまく進みません。必要な意見を集めることもできず、結論を導くことも困難でしょう。それでは会議を開いた意味がなくなってしまいます。
そのようなことを避けるためには、アジェンダに会議の目的・議題の他にも、会議で決定するべき事項も分かりやすく記載し、できるだけ早い段階で周知しましょう。
そうすれば「何のために集まるのか」を参加者に伝えることができ、会議の意義を明確にした上で、会議では集中的な話し合いが可能になるのです。
また会議の進行を組んでおくことにより、複数の議題がある場合にも議論の漏れが発生しなくなります。
会議の生産性を高め、効率的な議論になる
会議の目的・議題を事前に周知しておけば、会議の参加者は「何のための会議か・会議が目指すゴール」を把握し、自分がその議題に対して持っているアイデアや意見を参加前にまとめておくことができます。
そのため、準備不足を理由として会議の効率が下がることを防げるでしょう。会議では無駄な時間がなくなり、すぐに議論が進められるようになります。
会議をスムーズに進行でき、時間を有効活用できる
きちんとした時間配分がされていない会議では、予定外の箇所に大幅な時間を割いてしまい、時間通りに会議が進まない・後半の項目にかける時間が不足してしまう可能性があります。
アジェンダでしっかりとした時間配分を決めておけば、進行も進めやすくなりますし、参加者も時間を意識した議論ができるのです。
会議の流れで時間配分が決められてしまうような事態を避け、有意義に時間を使えるようになるでしょう。
また、会議時間の延長などにより、その他の業務に悪い影響が発生する事態も防げます。
会議の効率化についてはこちらの記事をご参考ください。
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短い時間でも効率的な会議を!会議を効率化するためのルール
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非効率な会議を劇的に効率化する方法!会議効率化ツール7選
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会議の質を高めるアジェンダの書き方とポイント
アジェンダは組織にとって欠かせないものであることをお伝えしましたが、ここからは基本的なアジェンダの書き方と、そのポイントをお伝えしましょう。
アジェンダの基本項目
アジェンダに記載する主な基本項目は下記になります。内容によって多少変わることもありますが、覚えておきましょう。
会議の基本事項
まずは会議の基本的な情報を記載します。
欠かせない情報ですが、つい確認漏れが発生しやすい部分でもありますので、注意してください。
- 会議名
- 開催日時
- 開催場所
- 参加者 など
会議の議題
会議で何を話し合うかを決めておきます。
抽象的な表現は避けて、会議で話し合うべき内容が伝えられるように意識してください。
例えば「新商品について」のような表現の議題では「新商品について何を話し合うのか?」が分かりません。話し合うべきことは新商品の価格・販売数・販売開始日のことなのかが、全く予測できないと言えるでしょう。
議題は「新商品の販売戦略について」「新商品の販売価格について」などの明確でいて分かりやすいものを設定する必要があるのです。
会議の目的
会議の目的を分かりやすく伝えるためには「何のための会議か」「会議のゴール」を表現すると良いです。例えば下記のようなものが、その例です。
【何のための会議か】
新商品の発売に向けて販売戦略を考えるための会議
【会議のゴール】
新商品の販売戦略を決定し次に必要なアクションを明確にする
議題が複数ある場合には、議題ごとにこの2点を決めておきましょう。
アジェンダには細かく分けて記載する必要はありませんが、両方の内容が伝わるように記載してください。
会議で議論される議題が複数あり、目的がバラバラの場合には、議題と目的を一緒に記載することもあります。
会議の進行順と議題の所要時間
効率良く円滑に会議を進行させるためには、会議の時間配分が大切です。
議題ごとに議論にかける大まかな時間を想定するだけでも良いのですが、下記のように議題の中の時間配分も決めておくと、より時間配分がしやすくなるでしょう。
- 新商品の販売戦略についての説明(10分)
- 営業部・開発部より提出されている戦略案の紹介と検討(20分)
- 参加者からのアイデアを募る(20分)
- アイデアの選定(20分)
- まとめ・決定事項の確認(10分)
もちろん、議論は人が行うものですので時間通りに進まないこともありますが、こうしておくことで会議の進行も行いやすくなります。
また議題が複数ある場合には、進行順は重要な議題・急ぎで決定するべき議題から先に話し合うようにしましょう。万が一会議が延長してしまったときに、期限までに必要な答えが出ていないような状況を避けるためです。
重要な議題・急ぎの議題だけでも議論ができていれば、取り扱うことができなかった議題は次に持ち越すという選択もあるでしょう。
アジェンダの書き方のポイント
アジェンダを作成するときには、注意するべきポイントがいくつもあります。そのポイントを理解して、分かりやすいアジェンダを作りましょう。
分かりやすく簡潔に説明する
アジェンダは、ダラダラと長い文章で説明するようなものではありません。
箇条書きを使用して、誰が見ても分かりやすいような工夫をしましょう。文章はもちろん、全体のデザインにも注意してください。
議題を詰め込みすぎない
アジェンダの作成に慣れていないうちは、一つの会議にいくつの議題を取り扱えるかが理解しにくいことがあるでしょう。
あまりに取り扱う議題が多すぎると、会議の時間配分も行いにくくなりますし、あまりに長時間の会議は参加者の集中力が持ちません。何十個もの議題を長時間の会議で行うのならば、会議自体を複数回に分けた方が良いでしょう。
特に議題の内容が違った種類である場合には、その項目ごとに会議自体を分割した方が分かりやすくなります。
無理な時間配分をしない
議論の中では何が起こるか分かりません。そのため、余裕のある時間配分をしてください。
無理に目的を達成しようとするような早足の会議では、本来得られるはずだったものも得られなくなってしまうでしょう。本当に時間内で議論が終わらせられるかどうかを十分に考え、会議に省ける点や非効率な部分があるなら、見直してください。
また、アジェンダの中には質疑応答の時間を設けるようにします。質疑応答があれば、ただ一方的に会議を進めるようなことはなくなり、参加者の持つ疑問や不安要素を会議中に解決することができるでしょう。
一目で分かるようマークを付ける
アジェンダは簡潔であるべきだと伝えしましたが、より会議の流れを簡単に説明するためには、マークを使用するのも良いです。
例えば、議論の中で必要な行動を【共有】【報告】【意思決定】などのマークで表現するのです。例で説明してみましょう。
新商品の販売戦略を決定する 1時間
- 【説明】新商品の販売戦略についての説明(10分)
- 【共有】営業部・開発部より提出されている戦略案の紹介と検討(20分)
- 【意見出し】参加者からのアイデアを募る(20分)
- 【決定】アイデアの選定(20分)
このようにすると、パッと見ただけでも行うべき行動が伝わりやすくなります。マークの利用にルールはありませんので、読む相手に伝わりやすいものを使うと良いです。
アジェンダは読む側もじっくりと読むというよりも、軽く確認しておくというスタンスの方が多いので、いかに短時間で内容を相手に伝えられるかを考えて作成しましょう。
今すぐ会議に使えるアジェンダテンプレート
会議は頻繁に行われるものですので、アジェンダの作成が毎日のように行われることもあるでしょう。テンプレートを活用すれば、その労力を大幅に削減できるようになります。
そのため、ここからは実際に使用できるアジェンダのテンプレートを紹介します。どのような業種でも利用しやすいスタイルなので、ぜひ参考にしてください。
アジェンダテンプレート
【日時】
2021年〇〇月〇〇日 10:00〜12:00
【場所】
A会議室
【出席者】
営業部:山田課長、開発部:田中課長、営業部:小野係長、営業部:森山、開発部:鈴木、開発部:野口、営業部:飯田、営業部:久保田
※外部の方を含めた会議の場合は項目を分割して記載しましょう。
【会議の議題・目的】
(1)新商品の販売戦略を決定する
(2)新商品サンプルアンケート結果の共有
※こちらの例では、議題と目的を同じ項目で説明しています。
【議題ごとの時間配分】
〇新商品の販売戦略を決定する 1時間20分
・【説明】新商品の販売戦略についての説明(10分)
・【共有】営業部・開発部より提出されている戦略案の紹介と検討(20分)
・【意見出し】参加者からのアイデアを募る(20分)
・【決定】アイデアの選定(20分)
・まとめ・質疑応答(10分)
〇新商品サンプルアンケート結果の共有 30分
・【説明】新商品サンプルアンケートの概要の説明(5分)
・【共有】アンケート結果の共有(20分)
・アンケート結果のまとめ・質疑応答(5分)
〇会議全体のまとめ・質疑応答 10分
【配布資料】
・新商品の概要
・新商品の販売戦略についてのアイデアまとめ
・新商品サンプルアンケート結果総評
その他の報告書のテンプレートについてはこちらの記事をご参考ください。
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アジェンダ作成を効率化するツール
アジェンダは会議にとって非常に重要な役割を持っていることが分かりましたが、多くの企業では非常に頻繁に会議が開催されているため、アジェンダの作成に時間を割くことが難しい場合もあるでしょう。そのようなときに、ツールを導入すればアジェンダの作成を効率良く短時間で行えるようになります。
ここでは、アジェンダの作成に最適な文書作成ツールあるflouu(フロー)を紹介しましょう。
flouu(フロー)は社内で情報共有を行うためのワークスペースで、作成した情報をすぐにメンバーで共有できます。質が高く豊富なテンプレートが用意されているため、文書作成にかかる手間や労力自体も減らせるでしょう。
このようなツールを導入すれば、アジェンダの作成以外にも多くの書類作成にかかる労力が節約できるため、本来の業務の効率を高めることが期待できます。
まとめ
アジェンダの目的や作り方を分かりやすく説明いたしました。アジェンダは、会議を有意義なものにするために欠かせないものです。
この記事を参考に優れたアジェンダを効率良く作れるようにしましょう。