働き方改革や社会の変化に対応するために、多くの企業では在宅での働き方を提案し始めました。
在宅勤務という勤務形態に慣れていない会社や上司もあり、細かな部分や提出書類についてのルールが分からずに困ってしまう場合もあるでしょう。
この記事では、特に在宅勤務の日報の書き方について説明したいと思います。これから在宅勤務を始めようと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
在宅勤務時の日報の目的
在宅勤務での日報は、通常の勤務の日報よりも非常に重要なものであるといえます。
当たり前のことですが、在宅勤務中の働きは同じオフィスで働いているときに比べて、上司が把握しにくいためです。
そのような状態では、上司は適切な業務配分ができず、限られた社員にのみ業務が偏ってしまうおそれもあるでしょう。
上司に自分の業務内容・進捗を伝える
先ほどお伝えした内容でもありますが、在宅勤務の日報の第一の目的は、上司に自分の業務内容を伝えることです。
本来上司は部下の業務内容や進捗を理解し、適切なオペレーションをしなくてはいけませんが、部下の様子が見えにくい在宅業務では、それらを日報で伝える必要があるのです。
自分自身も、上司に業務内容を把握してもらえなければ、正当な評価を得られなくなってしまいます。日報は組織のためであり、自分のためにも必要だと考えると良いでしょう。
自分の成長を促すため
自分の業務を客観的に見つめることは難しいものですが、日報を作成することで第三者の目線で業務を見直せるようになります。
業務中には気がつくことのできなかった問題点や改善点を見つけることもあるでしょう。
さらに日報は長期的に保存されますので、以前の自分と今の自分と比較も可能です。つまり、必要な点があれば改善し、自分をより高められるようになるということです。
日報は自分の成長にもつながると考えて良いでしょう。
自分の業務成果をアピールする
営業職のように、自分が努力して得た成果が数字として反映される職種と違って、在宅勤務の中で優れた改善・何らかの成果を得たとしても、それがアピールしにくい職種もあります。
例えば、分かりにくかった共有ファイルを誰もが使いやすいものに改善したり、今まで1時間必要だった作業を30分で行えるようになったりすることなどが、その例です。
日報を利用して、自分が業務から得た成果を伝えれば「いつも通りに言われたことをやっている」とは違ったアピールができるようになるでしょう。
成果は正当な評価を得るべきですので、日報では自分がした改善・得た成果をしっかりアピールしてください。
上司に問題点や相談をする
社内であれば、上司や先輩にすぐに相談できたような些細な質問も、在宅勤務ではそうはいきません。
実際には、チャットなどを使えば気軽に連絡は取れるのですが、相手の様子が見えない状態では、なかなかコミュニケーションのタイミングが分からなくなるものです。
もちろん、自分で解決することも大切です。しかし早い段階でアドバイスが手に入らないことで、小さな問題を大きなものにしてしまうおそれもあるでしょう。
日報を作成すれば、部下が感じている細かな不安や心配を相談しやすい環境が用意できます。日報はチームのコミュニケーション不足を解消する役割も持っているのです。
在宅勤務時の日報の書き方と基本構成
ここからは在宅勤務時の日報の書き方を具体的に説明いたしますが、基本的な構成はオフィスに勤務するときに提出する日報と変わりません。その基本的な構成を先に理解しておきましょう。
在宅勤務時の日報の基本構成
在宅勤務時の日報の基本構成は下記のようなものです。会社で定められたテンプレートがあれば、それに従う必要があるでしょう。
基本情報
まずは日報に必要な基本情報として下記を記載しましょう。
- 日付
- 報告者
- 提出先名
1日の業務・成果報告
書き方は時系列・業務別などに分かれますが、自分の業務内容が分かりやすい書き方を心掛けましょう。
一般的には、営業職など時間でアポイントメントがある方は時系列が適しており、時間単位ではなく業務単位で仕事をする事務職は箇条書きでの日報作成が良いといわれています。
もちろん大前提として「読む相手に伝わりやすい」ことが大切ですので、同じ業務をしている先輩の日報などを参考にするのもおすすめです。
文章が長過ぎたり、周りくどい書き方にならないようによく注意してください。
自分の考え(所感)
その日の業務を報告するだけではなく、業務の中で感じた疑問・改善点・自分の考えを記載します。
子供の作文のようなイメージを持たれないように「よかったです」や「〜だと思いました」だけで終わらす文章は避け、思ったことに対しての対策・今後の方針なども書き残してください。
この部分は日報のアピールポイントでもありますが、長い文章になり過ぎないように気をつけましょう。
特記事項
オンライン会議やチャットが用意されていても、在宅勤務中はどうしても上司や同僚との間に距離を感じやすいものです。
業務に対する疑問点をそのままにせず、日報の特記事項を使用して質問するようにしましょう。
特記事項を作成しても「特にありません」と連日のように記載してしまう方が多いようですが、それは読む相手にあまり良い印象を与えません。
また「上司に手間をかけてしまうかもしれない」と感じて質問をしないことは避けてください。結果的に大きなトラブルにつながってしまうおそれがあるためです。
質問をすることは、トラブルが発生して上司に不利益が及ぶことを防ぐ効果もあると考えると良いでしょう。
コメント
こちらは提出時には空欄にしておく箇所です。上司にコメントの場所に困ることのないように、初めからコメント欄を用意しておくのです。
特記事項に記載した質問への返答や、業務に対するアドバイスなどを上司に記載してもらえますし、その日報データを保管しておくだけで、上司とのやりとりが簡単に見返せるようになります。
在宅勤務時の日報のポイント
在宅勤務時の日報作成のポイントは、通常の日報と同じように簡潔に伝わりやすい文章を使うことです。
5W1Hの「いつ」「どこで」「なぜ」「誰が」「何を」「どのように」を意識した文章を作るようにすると、記載漏れを防ぎながら分かりやすい日報が作成できるでしょう。
在宅勤務の場合は、下記のことにより注意するようにしてください。
普段の日報よりも詳細かつ具体的な内容を記載する
オフィスで働いているときよりも、上司は業務の内容や進捗が把握しにくい状態です。普段より細かく、具体的な日報を作成して、不足している情報を補うようにしましょう。
コミュニケーションが不足しやすい状態であることを意識する
「いつものことだから分かってくれる」のような考え方は止め、在宅勤務時にはコミュニケーションが不足しやすい状態であることを意識してください。
何となくで業務を進めずに、十分な確認・質問をすることが大切です。
毎日きちんと日報の提出をする
日報はその日のうちに提出することが理想的ですが、外出や出張が多かった方は翌朝に日報提出をしていいた方もいるでしょう。
在宅勤務では、上司はあなたが何をしていたのかが見えていません。可能な限り当日中に日報を提出するようにしてください。
日報の書き方についてはこちらの記事もあわせてご参考ください。
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無料で使える在宅勤務時の日報テンプレート
在宅勤務時の日報の書き方や基本構成について説明いたしましたが、ここからはすぐに使える日報のテンプレートを紹介しましょう。
業務内容の報告が箇条書きのタイプ・時系列のタイプの両方を用意しているので、自分の業務に合っているものを参考にしてください。
業務内容が箇条書きの場合
まずは事務職などの職種で使いやすい箇条書きタイプの日報のテンプレートを紹介します。業務内容の部分に、その業務にかかった時間を記載する場合もあります。
【タイトル】
業務日報
【基本情報】
・作成者氏名
・作成日など
【業務内容】
・見積書作成(A社・B社)
・請求書作成(C社・D社)
・月例会議資料作成
・文具・工具発注(E商店・G工具店)
・サンプル発送作業(100個)
※必要であれば、その業務にかかった時間も記載する。
【所感】
・月例会議資料は田中係長に提出済みです。修正箇所があれば修正し明日中に再提出します。
・サンプル発送作業は8日(金)までに発送完了予定です。
・文具発注先E商店より新商品一覧のチラシをいただきました。部署内で閲覧予定です。
【特記事項】
サンプル発送作業の完了予定は6日中でしたが、サンプル商品の到着が1日から3日に遅れたことにより2日ほど遅れが発生する予定です。こちらの件は山田課長には報告済みです。
もう少しサンプル着の遅れを早く把握できれば、他部署に発送作業を依頼することもできたので、今後同じようなことが起こらないよう開発部との連絡体制を改善していきたいと考えています。
【コメント欄】
※状況に応じたコメントを記入
業務内容が時系列の場合
次に、営業職などの職種で使いやすい時系列タイプの日報のテンプレートを紹介します。
アポイントメントの時間を中心として1日の業務を進める方や、外出が多い方は、こちらのタイプを利用すると良いでしょう。
【タイトル】
業務日報
【基本情報】
・作成者氏名
・作成日など
【業務内容】
9:00 朝礼参加
10:00メールチェック後移動
11:00 Aストア豊洲店店長打ち合わせ
13:00 Bストア八重洲店実地調査
15:00 帰社後月例会議参加
17:00 メールチェック後終礼参加
【所感】
・Aストア豊洲店河合店長との打ち合わせで、人員不足についての相談を受けました。人材の補充について木下課長に報告済みです。
・月例会議では新商品の売り上げの状況について全店舗での数字を確認いたしました。想定以上の反響をいただいていることから、今後の商品展開につなげたいと感じています。
【特記事項】
Bストア八重洲店では新商品の陳列に顧客が集中しており、新商品の展開エリアを拡充させていく方向になりました。同様の事例が他店でも起こっている可能性がありますので、早急に確認して対処したいと思います。
この件に対して追加の人員を1名〜2名1ヶ月程度の期間で依頼したいと考えていますので、ご検討をお願いいたします。詳細な業務内容としては、各店舗訪問と調査・展開エリアの拡充が必要であれば販促品の手配などとなります。
【コメント欄】
※状況に応じたコメントを記入
その他の報告書のテンプレートについてはこちらの記事をご参考ください。
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在宅勤務の業務日報作りに活用できるツール
在宅勤務の日報作りは、優れたツールを活用することで効率よく進められるようになります。
ここでは日報作成に最適なflouu(フロー)についての説明をしましょう。
flouuの特徴
flouu(フロー)は日報の作成〜共有までの作業がスムーズに行えるクラウドサービスです。日報作成などの文書作成にかかる手間・時間を削減できることから、多くの企業で導入が進んでいます。
非常に優れた豊富なテンプレートが用意されているため、社内で文書ごとに書式を統一することも可能でしょう。
flouuを導入するメリット
flouu(フロー)には、文書作成と共有以外にも多くのメリットがあります。
- 複数のメンバーで同時閲覧・編集が可能
- コメント機能を使えばドキュメントを中心とした議論ができる
- 膨大な量のデータを管理可能
- 優れた検索機能を搭載している
- 料金設定とプランが分かりやすい
- データのバックアップ機能
- 二段階認証の強固なセキュリティ
これらのメリットから、flouu(フロー)を導入することにより社内の情報共有が進めやすくなり、業務全体の効率性を高める効果が期待できるのです。
flouuの料金(30日間)
- 基本料金 500円/1ユーザー
- セキュリティオプション 500円/1ユーザー
- 導入支援サービス 100,000円〜
※無料の試用期間が14日間あります。
まとめ
在宅勤務で作成する日報について、その目的やテンプレートについて紹介いたしました。
日報は自分の業務内容や業務の進捗を、上司を含めた社内の全員に伝えるために欠かせないものです。
そのため、自分の評価に直結するものだと考え、毎日のことだからと言って手を抜かないようにしましょう。