文書・文章作成

ビジネス文書の拝啓と敬具の正しい使い方とそのあとに続く時候の挨拶を紹介

投稿日:2019年6月20日 更新日:


ビジネス文書では、拝啓と敬具が頻繁に使用されます。その一方で、拝啓と敬具の正しい使い方を理解できていない方も多いのではないでしょうか。そこで、こちらの記事では、ビジネス文書における拝啓と敬具の使い方を例文を交えてご紹介します。ビジネスメールでの拝啓と敬具の使用の有無についてもご紹介しますので、書き方がわからない方はぜひ参考にしてください。

ビジネス文書の基本「拝啓」と「敬具」

多くのビジネス文書において、書き出しに「拝啓」、文末に「敬具」が書かれています。拝啓と敬具は、ビジネス文書作成において基本的なマナーです。意味や使い方を学び、適切なマナーでビジネス文書を作成しましょう。

頭語と結語

そもそも、拝啓は頭語、敬具は結語と呼ばれ、それぞれ慣用語として分類されます。慣用語とは、決まり文句や通用語という意味があり、特定の場面で用いられます。

頭語は、文書や手紙の冒頭で用いられ、「こんにちは」などの挨拶を意味します。頭語には、拝啓のほかに、拝呈や啓上などの種類があります。一方、結語は文書や手紙の文末に用いられ、別れの挨拶を意味します。結語には、敬具の他に、敬白や拝具、かしこなどの種類があります。

ビジネス文書では、冒頭に拝啓、文末に敬具を用いることが一般的なマナーとなっています。

拝啓と敬具を使う場面

拝啓と敬具は、文の冒頭と文末に使う慣用語だと解説しました。では、ビジネス文書において拝啓と敬具はいつ使うのが適切なのでしょうか。また、拝啓と敬具を使ってはいけない場合があるのでしょうか。

拝啓と敬具を使う場合

拝啓と敬具を使うかどうかは、ビジネス文書を書く相手や目的によって決まります。

まず、拝啓と敬具を使用する相手は、相手との距離がある、もしくは直接やり取りをしたことがない方に対してです。例えば、年に数回しか会う機会がないクライアントやその上役には、拝啓と敬具を使います。

次に、拝啓と敬具は、挨拶が目的のビジネス文書に使用します。例えば、新年の挨拶や担当者が変わった場合の挨拶状のビジネス文書において、拝啓と敬具を使うのがマナーです。

拝啓と敬具を使わない場合

一方、拝啓と敬具は、距離が近く親しい相手には使用ません。拝啓や敬具は、親しい相手に使うには丁寧すぎる言葉であり、逆に相手と距離を広めてしまいます。そのような方たちに文書や手紙を出す場合は、前略や早々を用いる方が適切です。

また、謝罪状やお見舞い状などのビジネス文書では、拝啓と敬具を使用することは適切ではありません。謝罪状は相手に謝意、お見舞い状は慰めを伝えることが最優先です。そのため、挨拶の意味合いがある拝啓や敬具は不要です。

拝啓の意味と書き方

ここからは、拝啓と敬具の意味と書き方を詳しくご紹介します。

拝啓には、「つつしんで申し上げます」という意味があり、ビジネス文書や手紙の冒頭で用いられます。では、その拝啓を使う位置を縦書きの場合と横書きの場合でご紹介します。

縦書きの場合

縦書きの場合の拝啓のポイントは、以下の2点です。

  • 拝啓の後は改行不要
  • 「拝」と「啓」の文字の間にスペースを空けない

まず、拝啓の後に続く文は、改行せずに書きます。ただし、拝啓と次の文との間には一文字文のスペースを空けておきましょう。次に、拝啓の文字の間にスペースは空けません。「拝 啓」ではなく、「拝啓」と記載しましょう。

横書きの場合

横書きの場合の拝啓のポイントは、以下の2点です。

  • 拝啓の後は改行不要
  • 拝啓の文字の間にスペースを空けない

基本的に、縦書きの拝啓の書き方と同じルールです。拝啓の後には改行は不要であり、拝啓の文字と文字の間にスペースを空けないで書くことがマナーです。

敬具の意味と書き方

次に、敬具の意味と書き方をご紹介します。敬具には、「つつしんで申し上げました」という意味があり、ビジネス文書や手紙の文末で用いられます。敬具の使う位置を、縦書きの場合と横書きの場合でご紹介します。

縦書きの場合

縦書きの場合の敬具のポイントは、以下の6点です。

  • 敬具の前に改行
  • 敬具は下寄せ
  • 「敬」と「具」の文字の間に一文字分スペースを空ける
  • 日付は改行し、一文字スペースを空ける
  • 会社名は改行し、下揃え
  • 役職・氏名は改行し、下揃え

まず、敬具は最後の文章を書き終わった後、改行をして記述します。敬具を記述する場合は、下寄せで、敬具の文字の間に一文字スペースを空け、「敬 具」とします。

次に、日付、会社名、氏名を記述します。日付は改行し、上に一文字分スペースを空けましょう。会社名も改行し、下寄せで記述します。役職と氏名の記述は、会社名を改行してからです。この時、会社名が役職、氏名よりも上になるように記述しましょう。

横書きの場合

横書きの場合の敬具のポイントは、以下の6点です。

  • 敬具の前に改行
  • 敬具は右寄せ
  • 「敬」と「具」の文字の間に一文字分スペースを空ける
  • 日付は改行し、左寄せで一文字スペースを空ける
  • 会社名は改行し右寄せ
  • 役職・氏名は改行し右寄せ

まず、敬具は最後の文章が書き終わった後に、改行して右寄せで記述します。この時も縦書きと同様に、文字と文字の間に一文字スペースを空け、「敬 具」とします。

次に、日付、会社名、氏名を記述します。日付は改行し、一文字分スペースを空けて左寄せで記述します。日付の後に、もう一度改行をし、右寄せで会社名を記述します。さらに改行し、会社名の下に右寄せで役職と氏名を記述しましょう。

拝啓と敬具の注意点

ここからは、拝啓と敬具を使う際の注意点をご紹介します。拝啓と敬具を使い際は、以下の2点に注意しましょう。

  1. 拝啓と敬具はメールと社内文書では使わない
  2. 拝啓と敬具はセットで使う

では、それぞれの注意点についてご紹介します。

1.拝啓と敬具はメールと社内文書では使わない

注意点の1点目は、拝啓と敬具をメールで使わないことです。メールにおいては、要件を迅速に伝えることが重要であり、拝啓と敬具は読む手間となってしまうためです。ビジネスメールは、忙しいビジネスパーソンが効率的にやり取りするための手段のため、拝啓や敬具などの挨拶を省略し、簡潔に伝えることがマナーです。ただし、年に一度の挨拶や正式な挨拶メールであれば、使用しても構いません。

また、拝啓と敬具は、社内の人間に対しては使用しません。社内文書の目的は、社内の迅速な情報伝達であり、社交的な挨拶は省略します。そのため、拝啓と敬具の挨拶は、社内の上司や先輩に対しては使用しません。

2.拝啓と敬具はセットで使う

注意点の2点目は、拝啓と敬具をセットで使うことです。拝啓だけ、敬具だけを使用するのは、適切ではありません。上述のように、拝啓と敬具は頭語と結語であり、頭語と結語はペアで使うことがマナーです。

拝啓の後に続く挨拶とは

拝啓と敬具の意味と使い方をご紹介しました。拝啓を使う場合は、その後に、時候の挨拶と、相手の繁栄を喜ぶ・安否を尋ねる挨拶文を記述するのがマナーです。挨拶文の詳細をみていきましょう。

時候の挨拶とは

時候の挨拶とは、季節に応じて使い分ける礼儀文であり、頭語の後に記述します。ビジネス文書や手紙で拝啓を書く場合は、その後に季語を含める等した時候の挨拶を書きます。こちらでは、時候の挨拶の書き方と季節ごとの例文をご紹介します。

書き方

時候の挨拶は、以下のように書きます。

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

例文では、「時下」が時候の挨拶に該当します。時下は季節を問わず年中使える言葉です。時候の挨拶は、拝啓の後に改行不要で記述します。これは、縦書きも横書きも同様です。

例文

拝啓と頭語の後に続く時候の挨拶は、「時下」のように通年で使用できるものもあれば、季節ごとに使用できるものもあります。ビジネス文書で、季節ごとに使用できる時候の挨拶は、以下の通りです。

月時候の挨拶

1月新月の候/賀春の候/厳寒の候/希望に溢れる新年を迎え/寒さ厳しき折柄

2月春寒の候/晩冬の候/節分の候/梅の蕾がほころぶ季節/余寒厳しき折柄

3月早春の候/春暖の候/春分の候/三寒四温と申しますが/桜の開花に春の訪れを感じる季節

4月桜花の候/春陽の候/春眠の候/すっかり春らしくなりましたが/春の日差しが暖かく感じる季節

5月残春の候/暮春の候/青葉の候/若葉が薫る季節/風薫る新緑の季節となりましたが

6月入梅の候/梅雨の候/初夏の候/さわやかな初夏を迎え/梅雨の季節となりましたが

7月盛夏の候/猛暑の候/酷暑の候/暑さ厳しき折柄/梅雨も明け暑い日が続いておりますが

8月残暑の候/納涼の候/暮夏の候/例年になく残暑が厳しですが/残暑が続いておりますが

9月初秋の候/秋分の候/涼風の候/さわやかな季節を迎え/残暑も過ぎ、過ごしやすい季節となりましたが

10月秋晴の候/秋月の候/紅葉の候/秋晴れが心地よい季節/秋が日増しに深まってまいりましたが

11月晩秋の候/暮秋の候/立冬の候/小春日和のこの頃/落葉散りゆく季節

12月師走の候/初雪の候/歳末の候/寒さが身にしみる季節となりましたが/年の瀬隣忙しい季節となりましたが

これらの季節の挨拶を、文書を送る季節にあわせて記載し、その後に「相手の繁栄を喜ぶ・安否を尋ねる挨拶」を記載していきます。

相手の繁栄を喜ぶ・安否を尋ねる挨拶とは

相手の繁栄を喜ぶ・安否を尋ねる挨拶とは、拝啓、時候の挨拶の後に続く文です。こちらでは書き方と例文をご紹介します。

書き方

相手の繁栄を喜ぶ・安否を尋ねる挨拶は、以下のように書きます。

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

例文では、「ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」が相手の繁栄を喜ぶ挨拶に該当します。ご清栄は企業や組織に対して使用する言葉であり、個人宛てに書く場合は、「ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」になります。

例文

相手の繁栄を喜ぶ・安否を尋ねる挨拶は、上述の文だけでなく、いくつか種類があります。相手の繁栄を喜ぶ場合と安否を尋ねる場合の例文をご紹介します。なお、安否を尋ねる挨拶は、法人宛には使わず、個人宛の文書のみ使用します。

相手の繁栄を喜ぶ場合

・相手が会社の場合

貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます

貴社ますますのご盛栄の段、お慶び申し上げます

・相手が店の場合

貴店におかれましてはますますご繁盛のことと大慶に存じます

貴店にはますますご繁盛の由、お喜び申し上げます

・相手が個人の場合

ますますご清栄のこととお慶び申し上げます

つつがなくお暮らしのこととお慶び申し上げます

安否を尋ねる場合

みなさまにはその後お変わりなくお過ごしのことと存じます

ご家族の皆様はお元気にお暮らしのことと存じます

ここまでの、拝啓に続く挨拶をまとめると、以下のような形になります。

「拝啓 残春の候ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。」

敬具に続く「記」の使い方

ビジネス文書で案内状を書く場合、日時や開催地を箇条で記述します。箇条で記述する際は、敬具の後に「記」と記述するのがマナーです。こちらでは、「記」の使い方をご紹介します。

「記」の意味

「記」は、ビジネス文書で使われる書式です。記書きと呼ばれ、ビジネス文書で箇条書きの際は、「記」を書くことがマナーとされています。社内文書、社外文書問わず、記書きは使用されます。

「記」の書き方

「記」を書く際は、以下の2点のルールがあります。

  • 敬具の後に使う
  • 「以上」で締めくくる

まず、ルールの1点目は、敬具の下に「記」を書くことです。ビジネス文書で箇条書きをする場合は、本文の下に記述する必要があります。そのため、本文の文末を敬具で締めくくり、その後に「記」で箇条書きを記述します。

ルールの2点目は、「以上」で締めくくることです。「記」と「以上」はセットで使用する必要があります。必ず「記」を書いた後は、「以上」も記述しましょう。wordで記載する場合は、「記」の入力して改行すると、「以上」が自動で入力されます。

以下は、「記」と「以上」の例文です。「記」は本文の中央に、「以上」は右寄せで書きましょう。

1.日時:令和〇〇年〇〇月〇〇日

10:00〜12:00

2.場所:〇〇ホール3階

以上

拝啓・敬具を交えて適切なビジネス文書を作成しましょう

拝啓と敬具の意味と使い方をご紹介しました。拝啓は頭語、敬具は結語と呼ばれる慣用語であり、それぞれ「つつしんで申し上げます」、「つつしんで申し上げました」という意味があります。

拝啓と敬具は、ビジネス文書の種類や送る相手によって、使う場合と使わない場合があります。ビジネス文書を作成する際は、まずは目的と相手をきちんと確認してから、拝啓と敬具を使用しましょう。また、拝啓と敬具は配置にも注意しなければいけません。縦書きの場合と横書きの場合、それぞれの位置を確認し、特に敬具の場合は文字の間にスペースを空けることを忘れないようにしましょう。

拝啓と敬具は、きちんと使わなければマナー違反になります。ビジネス文書を作成する際は、きちんと使い方を把握し、適切な方法で作成しましょう。

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